終活の豆知識⑦(変わりゆく供養の形 前編)

変わりゆく供養の形

自分の終活を始めようと考える人が、最初に考える項目第1位はお墓と言われています。かぐやの里メモリーホール富士でもお墓の相談はどんどん増えており、終活カウンセラーとして様々なアドバイスをしております。今回は、様々なお墓と供養の形(一般墓・樹木葬・納骨堂・永代供養墓・海洋散骨)を2回に分けてご紹介します。

①一般墓

最もポピュラーな形で、寺院敷地内や町内墓地や霊園に墓石を立てるお墓のスタイルです。

以前はお墓というと一般墓のことを指しましたが、最近ではお墓のスタイルが多様化してきたため従来のお墓のことを一般墓と呼ぶようになりました。

一般墓は家族や親せきなど「家」単位で利用されるお墓で、代々子孫へと引き継がれていきます。管理費を支払っている限り永続的に使用することができ、収める遺骨数に制限がないのが特徴です。

一般墓では割り振られた区間を自由に利用することができるため、オリジナルの墓石を建てることができて、最近では個性的デザインの一般墓も増えて、洋型の墓石に好きな彫刻を施す人もおりますが、墓地や霊園によっては規約によって墓石のデザインに制約がある場合があります。

長い間お墓の主流であった一般墓ですが、近年では少子化の影響からお墓の継承者を見つけるのが難しくなりました。そのため、一般墓以外のニーズが少しずつ増えて生きています。民法上は血縁関係がない人をお墓の継承者にすることも可能です。しかし、多くの人は先祖から受け継いできた一般墓を自分の子供、あるいは親せきに継いでほしいと願っているようです。

〇代々受け継ぐことができる 〇デザインが自由にできる

△他に比べ費用がかかる △継承者が必要

②樹木葬

故人を自然の中で埋葬するスタイルは、樹木葬と呼ばれています。最近、メディアで取り上げられることが増えました。現在の樹木葬でもっとも一般的なのは、シンボルツリーと呼ばれる墓標となる樹木(桜やもみじなど)の周辺につくられた区画に故人の遺骨を安置するというスタイルです。

また、遺骨を自然に還すことを目的とした樹木葬もあり、山や林の中に埋葬することで木を増やす、自然を整備するという目的もあり、いわゆる「自然共生型」だといえるでしょう。

樹木葬では「墓地・埋葬等に関する法律」に基づいて埋葬許可が出た区画に遺骨を埋葬します。

樹木葬には、以下のような特徴があります。

〇継承者が必要ない 〇安価で埋葬ができる 〇環境に配慮している

△お骨の形が残らない

③納骨堂

納骨堂は、霊園や寺院の建物内に遺骨を保管する形式のお墓です。納骨堂がある建物の中にはたくさんの納骨スペースが用意されており、そのうちの1つの区画を借りて故人の遺骨を納めます。

実は、納骨堂そのものは昭和初期から日本に存在していました。当時の納骨堂はあくまでも一時的に遺骨を預かるための施設でした。現在では、樹木葬と同様に新しく生まれた埋葬の形の一つとして認識されています。納骨堂のニーズは高く、特に墓地が不足している都心部では増加傾向にあり、岳南地区でも今夏に新たにオープンした弥勒の丘(富士宮市山本)など、徐々に増えております。納骨堂は様々な種類があります。

ロッカー式(ロッカー型の区画が集合している)仏壇式(仏壇スペースがある)位牌式(遺骨へのお参りはせず位牌のみ)自動搬送式(機械式)

〇室内でお参りがしやすい

〇継承者が必要ない

〇料金が安い

〇手入れや管理がしやすい

△従来のお墓と違うため抵抗がある

④永代供養墓

永代供養とは、お墓を管理する人がいなくなってからもお寺が責任をもって管理や供養を行ってくれるお墓です。一般墓などと同じように個別管理されておらず、遺骨を納めてから一定期間後あるいは初めから、他の人の遺骨とともに永代供養墓へと埋葬されます。

永代供養墓はお寺や霊園が管理してくれるため、お墓を継ぐ人がいなくても購入することができます。また、自分自身のための永代供養墓を生前に申し込むことも可能。永代供養墓は「個別安置型」「集合安置型」「合祀型」の3種類に分けられます。

個別安置型

個別安置型では、骨壺をそれぞれ個別のスペースに安置し、7年17年33年いった期間が過ぎた後に遺骨を合祀型に移します。

集合安置型

集合安置型では、それぞれの遺骨に専用のスペースを与えて小さな石碑や石塔を建てます。そして、それらを集合させることで一つのお墓をつくります。

合祀型

永代教養墓の中でもっとも一般的なのが、合祀型です。合祀型では遺骨を骨壺から取り出して、墓所内に直接埋葬します。他の人の遺骨と一緒に埋葬されるため、「合同墓」「合葬墓」などとも呼ばれています。

〇継承者が必要ない 〇料金が安い 〇維持管理費がない

△お骨が取り出せない

⑤海洋散骨

海洋散骨は、祭祀の目的をもって、故人の火葬したあとの焼骨を海洋上に散布することをいいます。自分の死後は自然に還りたい、大好きだった海に眠りたい、といった故人の意志や、様々な事情でお墓に入れない、お墓を持てないという悩みをお持ちの方にも最適な方法です。

一時、常識を守らない業者が増えたこともあり一般社団法人日本海洋散骨協会が設立されてガイドラインが設けられました。節度をもって行う海洋散骨は法的に問題なく、船上でセレモニーを行い散骨します。散骨した場所をGPSで記録して、再度その場所をクルージングもできます。また、自然環境保護への関心の高まりにより、野山を切り開いて墓地を作るよりは、遺骨を自然に還し、また故人の眠る自然環境を大切にしていこうというエコロジー思想も背景にあります。

石原裕次郎や勝新太郎も散骨を選んでおります。

チャーター散骨

家族や仲間だけで散骨クルーザーを一隻貸し切って行います。

合同散骨

数組のご遺族に散骨クルーザーに乗船いただき、合同で散骨セレモニーを行います。

代行委託散骨

対面にてご遺骨をお預かりし、ご遺族に代わり真心をこめて海へお送りします

メモリアルクルーズ

散骨した場所へお参りの為にクルージングします。
〇継承者が必要ない 〇料金が安い 〇環境に配慮している

△散骨先に行きづらい

昨今は核家族化が進み、代々引き継いでいかなければいけない伝統的な一般墓ではニーズに応えることができなくなりました。そのため、今ではお墓を建てるにしても多くの選択肢があります。

どのお墓が故人にとって、そして自分だけでは無く家族にとってどの様な形が最適か、検討してみてはいかがでしょうか。

今月の結び

来月も引き続き様々なお墓また供養の形を紹介します。

お墓は自分の意志だけでなく、周りの家族や親族の将来にも関わることです。継承者がいない、また継承者がこの地域に住むかわからないなど、将来を見据えて相談しておくことが重要です。かぐやの里メモリーホール富士では、終活カウンセラーがお墓の相談や紹介も行っておりますので、お気軽にご相談ください。(第2回お墓見学ツアーも予定)

<費用>

高い                 安い

一般墓➡納骨堂➡樹木葬➡海洋散骨➡永代供養墓

<デザインの自由さ>

高い          低い

一般墓➡納骨堂➡樹木葬➡永代供養墓

<お参りのしやすさ>

納骨堂➡一般墓➡永代供養墓➡樹木葬➡海洋散骨

<場所の選びやすさ>

海洋散骨➡永代供養墓➡一般墓➡納骨堂➡樹木葬

<継承者>

不要              一部必要  必要

海洋散骨・永代供養墓・樹木葬  納骨堂   一般墓

<維持費>

不要              一部必要  必要

海洋散骨・永代供養墓・樹木葬  納骨堂   一般墓