新盆に必要な準備について

新盆(初盆)に必要な準備について

新盆(にいぼん)とは故人の死後、四十九日の忌明けを過ぎてから初めて迎えるお盆の事をいい、初盆(はつぼん)などとも呼ばれます。

毎年夏になると故人や先祖の霊を祀るためにお盆が行われますが、この新盆では僧侶や知人を招いて法要を行うなど、あらかじめ準備しておく事が多く、それに伴い用意する物品や供養の流れなどをきちんと把握しておく必要があります。この記事では、新盆を迎えるにあたって知っておきたい、お盆の時期や必要な準備、行事の手順などを紹介します。

 

新盆とは…故人の忌明け以降に迎える最初のお盆

新盆とは故人の四十九日(忌明け)以降に初めて迎えるお盆のことです。そのため、四十九日以内にお盆がくれば、その年ではなく翌年が新盆となります。

お盆には故人や先祖の霊が帰ってくるといわれ、一般的には自宅でお供えや提灯を置いてお迎えし、お墓参りをするなどの供養をします。新盆ではそれに加え、僧侶や親族、故人と親交の深かった人などを招いて法要を行います。

2021年の新盆の時期は?

東京や一部の地域では7月に行う新のお盆、そのほかの地域では8月に行う旧のお盆に、新盆を迎えることが多いようです。

新盆(初盆)の正しい時期とは?

お盆行事が開催される時期は宗派や地域ごとに異なっています。新盆(初盆)に限らず、お盆の法要をおこなう場合は、どの時期におこなうべきなのか注意が必要です。お盆行事の時期は故人の供養を開催する地域の慣習に合わせるのが一般的ですが、親族や知り合いを呼ぶ都合により調整することもあります。

お盆をおこなう時期は、「旧盆」と「新盆」のいずれかが一般的です。旧盆の地域ではお盆は8月15日のため、お盆関連の行事は前後の8月13日から8月16日にかけておこなわれることが多くなっています。全国的にもこの旧盆制度を取り入れているところが大多数であり、企業や世間で言う「お盆休み」もこの時期に当てはまることがほとんどです。

新盆(初盆)は故人が亡くなってから四十九日の忌明け後に迎える初めてのお盆のことです。この新盆(初盆)の法要はお盆の期間におこなうため、地域によって7月におこなう場合と8月に行う場合があります。

新盆の場合、お盆は7月15日になり、お盆関連の催しは前後の7月13日から7月16日ごろにおこなわれています。新盆を導入している地域は全国的にも少なく、東京の一部や北海道、石川などの一部地域のみとなっています。

このように「旧盆」と「新盆」に分かれたのは、発端は明治時代の暦制度の改変が発端です。旧暦ではお盆は7月におこなわれていたため、ほとんどの地域では新暦に変わってからも同時期の8月におこなうことにしていました。しかし一部地域では、新暦に合わせてお盆の日取りも変更したため、一か月早く開催することになったのです。

 

 

新盆(初盆)で用意するお布施の金額

新盆(初盆)では僧侶を招いて読経してもらいます。こういった法要をおこなう場合は、僧侶に対し「お布施」を用意するのがマナーです。お布施はあくまで「お気持ち」として渡すものであり、金額が決まっているわけではありませんが、法要ごとに相場はあります。

新盆(初盆)の場合お布施の相場は40,000円程です。ちなみに通夜式やお葬式以外の法要のお布施は30,000~50,000円、新盆(初盆)以外のお盆の場合は、おおよそ5,000円~20,000円が相場と言われています。新盆(初盆)のお布施が他の法要よりも高いのは、親族や知人がより多く訪れ、ある程度の規模で供養をすることが多いためです。

またお布施に加えて、招いた僧侶に別途「御車代」を用意する必要があります。御車代の相場はいずれの法要でもおよそ5,000~10,000円となっています。ただし大きな法要をおこなわず、墓前に僧侶を招いて読経のみをおこなう場合御車代は不要です。

さらに法要後の会食にともなう「御膳料」も用意しておきましょう。相場は2,000~5,000円ほどです。僧侶が会食に参加する場合は御膳料を渡す必要はありません。

これらの「お布施」「御車代」「御膳料」は、すべてまとめて奉書紙で包んでお渡しします。それぞれ別の封筒などに入れる必要はなく、まとめて「お布施」と表書きをしましょう。

新盆の香典はいくら包むべきか

法事や法要で必要になる香典ですが、これは新盆でも同様に必要です。新盆で必要になる香典の費用は、年齢や関係性によっても金額が変わります。例えば関係性でいえば、両親の新盆であれば1万円~2万円、祖父母であれば5千円~1万円、兄弟であれば1万円~3万円、叔父・叔母であれば5千円~2万円包むのが一般的です。

ただしこれは年齢や地域、親族の決まりなどによっても変わってくるので、一概にこの香典費用が正しいとは限りません。新盆はお葬式と違って準備をすることができるので、事前に周りの人に金額を聞くことが一番の正解に近づく方法です。

 

 

新盆(初盆)の服装マナー

新盆(初盆)では、喪服や礼服を着用するのがマナーです。これは遺族でも参列者でも変わりません。忌明け以降の法要は服装も少しずつ軽くなっていく傾向にありますが、新盆(初盆)は初めてのお盆ということで、きっちりとした服装を求めるケースが多くなっています。

とは言え、親族側から「平服でお越しください」という連絡があったり、地域や家庭ごとの考え方があったりもするかもしれません。その場合は状況に応じて服装を調整してください。ただし「平服」と言ってもカジュアルになり過ぎないこと、法要の場で失礼にあたらないようにすることを心がけましょう。

男性であれば柄のないダークスーツが適切です。ネクタイは柄のない黒色、靴下や靴も黒色で派手なデザインは避けるようにしてください。アクセサリーの類は着けず、ファッション性の高い時計やネクタイピンは着用しないようにしましょう。

女性であればダークスーツやワンピースなどが適切です。色は黒色だけでなく、濃紺や灰色でもマナー違反にはなりません。ただしスカートの丈やブラウスの胸元には注意が必要です。座った時や屈んだ時に肌が極端に露出しないよう、短すぎない丈のスカートと胸元が開きすぎないブラウスを選びましょう。メイクは控えめに、アクセサリーはパールで統一するようにしてください。

カジュアルすぎるとマナー違反になりますが、フォーマルな服装がマナー違反になることはありません。迷った場合はフォーマルな喪服や礼服を着用していけば間違いありません。

 

宗派ごとに新盆(初盆)の方法は異なる

新盆(初盆)の迎え方は、宗派によっても異なります。開催時期についても、地域差だけではなく宗派ごとに考え方が異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。

たとえば浄土真宗には「お盆に故人が帰ってくる」という考え方がありません。そのため迎え火や送り火を焚いたり、精霊棚を整えたりすることはないのです。しかし「お盆」は「歓喜会」という大切な日のため、自宅やお寺で僧侶の説法会に参加します。新盆(初盆)という習慣はないものの、故人のお墓にお参りはおこなうため、それに合わせた準備はすることになります。

真言宗の場合は、新盆(初盆)ではお墓だけではなく、ご本尊へのお参りも欠かせません。真言宗は追善供養に重きを置いており、お盆は故人と共にご本尊へのお祈りを行うことを大切にしているからです。祭壇へのお供えものも多く、精進料理のお膳も用意します。

また宗教は違いますが神道にも新盆(初盆)があります。「新盆祭」や「新御霊祭」と称し、法要をおこない参列者で会食をします。基本的な流れや法要の準備、お布施の金額などはおおむね仏教の場合と同じですが、細かいマナーが異なるため前もって確認が必要でしょう。

このように宗派により新盆(初盆)の内容が異なるため、前もって何をするべきかを把握し準備を進めていくことが必要です。

 

新盆に向け準備する飾り

■精霊棚(しょうりょうだな)

精霊棚は祖先の霊を迎えるための棚のことで、その年の作物や精霊馬を供えます。精霊棚は、仏壇の前に飾り付けます。このとき位牌を取り出しておき、精霊棚の中央に飾ります。

必要となる材料はいくつかありますが、仏具店などでセットになっているものを購入できるので、それを使えば問題なく組み立てができるでしょう。

■精霊馬(しょうりょううま)

精霊馬は精霊棚に供える物のひとつで、祖先の霊を迎えるためのものです。割り箸などでキュウリとナスに足をつけ、それぞれ馬・牛とみなします。これには、「祖先の霊が来るときは馬に乗って素早く、帰るときは牛に乗ってゆっくりと」という願いがこめられています。

■盆提灯(ぼんぢょうちん)

盆提灯は、祖先の霊が迷わず家にたどり着けるように灯しておく提灯です。盆提灯には白提灯と絵柄の入った提灯の2種類がありますが、新盆では白提灯を使います。白提灯は遺族の近親者から送られることが多いですが、最近は「御提灯代」として遺族に現金を渡し、そのお金で提灯を購入するとことが増えています

新盆で使用した白提灯は、送り火で燃やすか、あるいはお寺で供養してもらいます。事前にお寺に確認をとっておくといいでしょう。

他には、お供え物(今年とれた作物など)や供花、新しいロウソク・線香、松の割り木なども用意しておきます。

 

新盆のお供え

お供えは団子が一般的ですが、供える日によってさまざまな名前が付けられています。

団子の種類には、特に規定があるわけではありません。現在ではお盆の期間中は同じものを供えることも多く、日替わりで変えるという風習はあるものの、そこまで厳密に行われているわけではないようです。

 

新盆の行事の流れ

お盆は7月または8月の15日頃に行われますが、ここでは13日に迎え火、16日に送り火を行うとして、その手順をご紹介します。

①迎え火
13日はお迎えの日、迎え火となります。午前中は精霊棚の飾り付けやお供え物などをし、祖先の霊を迎える準備をします。仏壇から位牌を出して精霊棚の中央に置き、仏壇の扉は閉めておきます。日中はお墓参りをし、お墓の掃除を行います。夕方になると松の割り木や麻幹(おがら)で迎え火を焚き、盆提灯に火を灯します。

②お墓参りと法要
14日~15日の間に、揃ってお墓参りを行います。同時に僧侶を招いた法要も行い、祖先の霊の供養を行います。法要のあとには会食を行うこともあります。この期間は祖先の霊が帰ってきているので、火を絶やさないようにし、お供え物や水などは毎日交換します。

③送り火
16日はお送りの日、送り火です。見送りをするのは夕方なので、それまでは最後のお供え物をしたり、お祈りをしたりします。夕方になると送り火を焚き、祖先の霊を見送ります。この時、使用した白提灯を一緒に燃やす場合もあります。

 

法要の準備と知っておきたいこと

新盆では僧侶を招いて法要を行いますが、その準備や注意点などについてご紹介します。

■僧侶や招待する人には早めに連絡をとる

新盆でお勤めいただく僧侶に、連絡をとって予定を押さえておく必要があります。お盆の時期は寺院も忙しくなるため、遅くとも1ヶ月前までには連絡しておくと良いでしょう。このとき、会食を予定している場合には、僧侶が参加するのかどうかも確認しておきましょう。 白提灯の処分方法も聞いておくと、後で困らずに済みます。

また、親族だけでなく、故人と親交の深かった方や遺族の知人なども招待する場合には、案内状を送ります。この案内状も、1ヶ月前を目安に送ると予定を立てやすくなります。

■事前に必要な物品を購入し組み立てをしておく

新盆の場合、お盆の行事で必要な物品を揃えることから始めます。盆提灯・精霊馬の準備や精霊棚の組み立ては、迎え火の前日である12日までには終わらせておきましょう。

■僧侶へのお布施を準備する

僧侶に法要をお願いした場合、そのお礼としてお布施をお渡しします。お布施を渡すときは直接手渡しするのではなく、盆などに乗せて渡します。

新盆のお布施相場は、4万円程度といわれています。それと合わせてお車代や、会食に参加されないのであれば御膳料も用意しましょう。お車代は5千~1万円程度、御膳料は食事の程度によっても変わりますが5千~2万円程度です。

■お布施の表書き

葬祭関連では薄墨で表書きを書くことも多いですが、お盆のお布施は普通の墨で書きます。 正式な包み方は、半紙の中包にお金を入れ、奉書紙で上包みに折る方法です。しかし、現在では白封筒を用いた略式で構わないとされており、この場合は郵便番号欄のない無地の封筒を用います。

■料理を手配する

法要後に会食を予定している場合は、料理を手配します。仕出しや食事処を予約する際に新盆で利用する旨を伝えなければ、伊勢海老や鯛などを使用した慶事向けの料理が出てくることもあります。そのため、予約する際には法事での利用であることを伝えておきましょう。

 

早めの事前準備で新盆を迎えましょう!

新盆は、故人の四十九日後に初めて迎えるお盆であるため、普段のお盆よりも念入りに行われます。今回ご紹介したことを念頭において、故人の初めてのお盆を、きちんと行えるように準備しましょう。