始めやすい終活 終活の豆知識66

終活という言葉が世間に広がって数十年が経つ。この終活の豆知識も毎月反響があり、テレビや新聞でも終活関連の話題は事を欠かない。年齢が上がるにつれて意識する人も増えているが、いざ終活を始めるとなると、なかなかスタートできないという声もよく聞く。富士市の街づくりセンターで終活の講師を勤めているかぐやの里メモリーホール代表の中村さんに始めやすい終活について聞きました。

終活のはじまり

終活は2010年の流行語大賞にノミネートされた頃から注目されるようになりました。以前は就職活動の終活がメインワードでしたが、この頃から終活関連団体が生まれて啓蒙活動が活発化してきました。

終活を生み出したのは「一般社団法人終活カウンセラー協会」という団体で終活を拡げるために終活カウンセラーという資格を創設しました。私も初期メンバーとして資格を獲得して知識を深めてきました。

今や終活に纏わる資格や書籍などたくさん存在しています。

終活の主な内容

終活の定義は今や多様化しています。書店に行けば終活関連の書籍やエンディングノートがたくさん並んでいます。また様々なところでセミナーなども実施されています。その中で、終活の捉え方や内容も様々です。

それは解説する人のポジションによって得意分野が違い、重点項目も変わるためです。主な例で言えば、保険会社や金融機関また士業(弁護士や司法書士など)の方々ではお金など資産そして相続の話。医療関係者などは介護や病気の話。そして葬儀社はお葬式やお墓の話。

それぞれが終活関連書籍の出版やセミナーなど行っていますが、やはり得意分野が分かれる傾向にあります。それでも終活の主要な項目としては、相続と遺言書・財産整理・お葬式やお墓・介護看病・延命意思表示・緊急連絡先の確認・家族や友人へのメッセージなどが共通した主な項目です。

終活を学ぶ

よく頂く質問として「まず何から始めたらよいですか?」と聞かれることが多いです。確かにいきなり遺言書作成など大掛かりなものから入るとなると、ハードルが高いのが現実です。今回は誰でもできる内容を2点ご紹介します。

【 片付け 】

今や片付けの書籍がベストセラーになるなど整理整頓を実施したい方も多いのではないでしょうか。ただ、いざ実施しようとすると生活空間を断捨離するのは結構難しいことです。

そこで第一歩として「一回あたり引き出し一段の整理」と小さく繰り返すことがコツと言われています。箪笥の一段でも食器棚の一段でも、一回あたり数十分で終わる小さい範囲の整理整頓を毎日繰り返すことで徐々に成果が出てきます。

この部屋を片付けよう!や自分の洋服を整理しよう!とスタートすると、最後まで終わらず中途半端で終わってしまう可能性があります。無理せず出来ることを小さく実施してみるのが最初のコツです。

【 財産整理 】

財産整理というと家には財産が無いから!と考える方や、誰に相談したら良いかわからないという方もいます。財産整理をしっかり行うとなると、やはり遺言書作成や相続対策などが必要になります。

なかなかそこまで実施するのはハードルが高いという方も多いと思いますので、第一歩として「資産の把握」だけでも先に繋がります。

権利書や通帳など紙に印字されているものや、自動車など動産と言ったわかりやすい資産以外にも、先代から引き継がれていたものやWEB上で管理している金銭やポイントなど、金額の大小に関わらず実はいくつか資産はそれぞれ持っているものです。

それらを洗い出すだけでも何かの際に役立ちます。一度確認してみてはいかがでしょうか?