想いを終い、想いを繋ぐ

~かぐやの里メモリーホールで広がる心の供養~

葬儀社にとって最も身近な地域イベントのひとつが「人形供養祭」です。富士市内の葬儀社や、神社お寺でも広く行われており、地域の皆さまにとってもなじみ深い行事かもしれません。そんな中で、「供養祭」だけでなく「想いを繋ぐランドセル」の活動を始めた、かぐやの里メモリーホールのエンディングプランナー中村雄一郎さんにお話を伺いました。

■人形供養祭とは

お人形やぬいぐるみなどは、「ただの物」ではなく、多くのご家庭で思い出の詰まった存在です。かぐやの里メモリーホールでは年に2回、6月または7月、そして12月に人形供養祭を開催しています。ちょうど、ひな人形や五月人形を片づける時期や年末の大掃除の時期にあたることから、多くの方にご利用いただいています。

供養では、神主様やご住職様にお越しいただき、お人形の魂をお祓いしていただきます。引き取りの際には、お人形への「最後のお手紙」をお願いしています。感謝の気持ちを言葉にすることで、最後に思い出を振り返ってもらいたい――「このぬいぐるみは、私が子ども頃からずっと一緒にいた大切な存在でした」――そんなお話に、思わず涙ぐまれる方もいらっしゃいます。

■「思い出のランドセル」活動

そして、人形供養に加え、「想いを繋ぐ」として注目されているのが「思い出のランドセル」の取り組みです。これは、NPO法人楽しいことやら座様とのご縁から始まったもので、NGO法人ジョイセフの支援活動として、役目を終えたランドセルをアフガニスタンの子どもたちに届けるというものです。

昨年は、富士市内だけでも130個以上のランドセルが集まりました。全国では5,000個以上のランドセルが集まり、今月に東京都大田区で行われたコンテナへの仕分け作業には、全国から100名以上のボランティアが参加。中村さんもその一人として参加され、「日本全体が一つの輪になって、子どもたちの未来を応援しているのを実感しました」と語ります。

■想いを繋ぐとは

供養祭では「想いを終う」ことのお手伝いをしてきたかぐやの里メモリーホール。このランドセルの活動では、「想いを繋ぐ」ことに力を入れています。使い終えたランドセルを持ってこられるのは、お子さんと一緒に訪れるご家族が多く、「ありがとう」とランドセルに声をかける姿が印象的です。

ランドセルは、ただの鞄ではありません。入学の日の思い出、毎日の通学、友だちとの楽しい時間――6年間の思い出が詰まっています。そんなランドセルが、今度は海を越え、遠くアフガニスタンの子どもたちのもとへと旅立っていくのです。「笑顔とともに想いが届くように」と、中村さんは今年もこの活動を続けていくと語ってくださいました。

■「思い出のランドセル」ご協力のお願い

現在、以下のご協力をお願いしております。

・ご自宅で使わなくなったランドセルをお譲りください

 海外への輸送費として、1個につき2,500円の寄付をお願いしております。寄付金の領収書は、NGOジョイセフより発行され、公的寄付金として扱われます。

・ランドセルがなくても寄付で支援いただけます

 輸送費の補助として、寄付のみのご支援も受け付けております。こちらも寄付金の領収書を発行いたします。

■編集後記

モノにも心が宿る――そんな日本人の優しさが、供養や支援の形として息づいています。富士市から始まる「想いを繋ぐ」活動。その一つひとつが、世界のどこかで誰かの笑顔につながっているのだと実感する取材でした。

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