終活の豆知識㉗(事前相談ー近年の傾向ー)

お盆前後は生前の事前相談が増えます。傾向として、帰省した際に家族会議で将来のことを話するなどして、お葬式準備や終活を始める家族が増えているからです。子どもたちが離れて暮らすことが多くなった現代で、なかなか込み入った話をする機会が無くなりました。家族会議の中で出てきた不明点や不安点を相談したいというご連絡を良く受けます。近年の傾向と共に、事前相談についてかぐやの里メモリーホール富士の中村さんに聞いた。

 

■どんな相談が多いですか?

事前相談というと「〇〇を聞きたい」「〇〇について教えて欲しい」など、質問事項に応える相談と思いがちですが、弊社で最も多い質問は、「何もわからないのですが…」「準備しなければいけない状況ですが何からすればいいかもわかりません…」と言った、質問すらわからない漠然とした相談が多いです。近年はお葬式の小規模化が進み、お葬式のことを近所や親戚にも相談できないケースがあり、その場合は自分たちで調べなくてはいけません。どこから手を付けたらいいかわからない方も多く、弊社ではこちらから案内をしながら対応すること心がけています。

 

■家族葬についての相談はありますか?

コロナ禍で、家族葬や密葬、もしくは弔問のみ受けてからの家族葬が増えました。これまで通りの一般葬が減った中で、初めて家族葬を行うのでわからないという質問も増えました。その中で良くある質問は次の通りです。

①家族葬での弔問の受け方

②家族葬の会館選び

③家族葬の費用

④お葬式の流れ

⑤お寺さんとのやり取り

家族葬と密葬を混同している方が多く、家族葬は親族以外呼べないと思っている方がおりますが、家族葬は親しい方をお呼びできます。一切の会葬や弔問を辞退する形が密葬です。また、コロナ禍で開式前に弔問を受けて、葬儀式は家族と親族だけで行うケースが増えております。その形の流れや式場選びも良く質問されます。結果として、開式前の弔問が多くても、葬儀式は限られた人数であれば、大きな式場は必要ありませんので、費用も抑えられます。これまで一般葬と考えて積立や掛け金を行っていた方や一般葬式場でお葬式を考えていた方も、お葬式の形を変えるにあたり見直しが増え、結果的に家族葬式場への変更や積立切替なども増えております。

 

■他に多い相談もどの様なことですか?

お葬式や終活の相談を受ける中で、多くの方が気にされているのはお墓です。お葬式以上に将来に亘り家族が関わることなので、様々な質問が寄せられます。お墓については、菩提寺の有無にもより対応が異なります。また、後継ぎが遠方に暮らすケースや後継ぎがいないケースなど、将来に亘り不安がある家族に対しては、一般墓以外にも、納骨堂・永代供養墓・樹木葬・散骨など選択肢が増えたこともあり、家族にとって最も適するものを案内するなど、サポートする機会が増えております。

 

生前に相談することがなかなか出来ない方もいらっしゃいます。「亡くなることを考えたくない」「縁起が悪い」など、不安視される方など。一方で、「ちゃんと送りたいから失敗したくたい」「準備せずに慌ただしく終えたくない」など、準備をされる方もおります。家族それぞれの考えの中で、柔軟に合わせていける体制を整えることが、我々の役目だと思っております。会館の様子や細かい費用まで事前に知っておきたい方は、来館して頂き詳細に説明します。なかなか踏み出せない方には、家族ごとにカスタマイズした資料を郵送します。コロナ禍で外出を控えたい方も多いので、オンライン相談も始めました。どんな状況下でも無くてはならないお葬式だからこそ、皆様が少しでも不安点や不明点が無くなるよう努力していきたいと思います。