終活の豆知識㉕(感染症拡大で変わる今後のお葬式)
感染症拡大で変わる今後のお葬式
感染症拡大で社会は大きく変わろうとしております。ソーシャルディスタンスが基本となり、これまで当然であった人と人のふれあいの形が変わろうしております。飲食店など多くの接客業でその様式の変更を強いられます。それはお葬式でも同様です。未だに続くこの状況下で、今後のお葬式について、かぐやの里メモリーホール富士の中村雄一郎さんに聞いた。
【現在のお葬式状況】
3密回避が基本となっている現在、お葬式も室内で不特定多数が集まるお葬式も、非常事態宣言以降に大きく変わりました。大きく変わったこととして、①お葬式の小規模化②お葬式での会食減少が挙げられます。
- お葬式の小規模化
室内で一堂に会することが制限されて、特定多数の方をお呼びする一般葬が激減しました。感染症拡大の影響が大きい、都内にある葬儀社の割合では、一般葬8%・家族葬42%・直葬50%となっています。家族葬でも、2日葬30%・1日葬70%となっており、小規模化が顕著に表れています。この状況下で菩提寺も縮小化を了解するケースが見られて、しばらくこの状況が続きそうです。富士市でも一般葬は減少しております。遠方からの親族が来れないこともあり、親族人数も減っております。
②お葬式での会食減少
集まるのが親族であっても、以前の様に一同で食事をすることが減少しました。富士市斎場でも食事提供が不可となるなど、会食する機会が無くなり、お持ち帰りする傾向にあります。
【今後のお葬式予想】
日々変わる社会情勢によりますが、全面解除まで数年かかると見込んで、業界関係者の見解と共に富士市で今後を予測します。
①家族葬の増加(一般葬の減少)
地方都市では菩提寺を持つ家庭(檀家)が多い為に、直葬が急激に増える可能性が少なく、家族葬が増えるでしょう。不特定多数を呼ぶ一般葬は減り、お香典を届けるだけになるなど一般の参列は減ると予想されます。
②弔意表現の変化
「亡くなってかけつける」これは故人を悼むことでもありますが、その遺族を慰める意味もあります。近年では故人の関係者より遺族の関係者の参列が増えているのは、その意味合いが強くなっているからです。かぐやの里メモリーホール富士で、以前から希望される場合にスカイプを利用した葬儀中継サービスを行っていました。しかし、オンラインで見られるようにしても、見たいと思う人がどれだけいるか疑問です。今後は、故人のSNSアカウントや遺族に対して、色々な方がコメントを寄せるなどの形が進み、直接声をかけると同様に、様々な形で弔意が伝えられると思います。海外ではその様な形が進んでいます。
③家族葬会館の需要が増える
どこでも家族葬はできますが、家族葬会館で行う形が増えるでしょう。一般葬会館で家族葬も出来ますが、必要以上の座席数があることでの空虚感、少人数に合わない祭壇サイズ、広い式場故に用意する生花の数が増えるなど、意に沿わないことがあります。大は小を兼ねますが、無駄な物を省きたい方など家族葬会館で行うケースが増えるでしょう。
④サービスのワンストップ化
お葬式の少人数化は葬儀主催者である喪主や施主が、その全てを実行しなければならなくなります。親戚や近所のサポートが無いので、不明点など自分でクリアにしていかければなりません。葬儀は丁寧だけど、それ以外のこと(役所や年金の手続き・お葬式参列しない方への通知方法など)は、書類だけ渡されて自分でやることになったなど、未だワンストップサービスを行っている葬儀社は多くありません。かぐやの里メモリーホール富士のアフターサポートは専任者が行うので、他社でお葬式を挙げた方も相談に来たりするなど、わかりやすい案内をしております。お葬式だけでない全般についてサポートするワンストップサービスが求められていくでしょう。
お葬式で大切なことの一つは、気持ちを伝えることだと考えます。たまに「人を呼んだ方がお香典が集まる」と聞きますが、お金を集める為にお呼びするのは本質ではありません。お焼香しに行くだけでも無く、故人や遺族に弔意や慰めまた感謝の言葉を伝えることが大事だと思っております。お葬式の場に会せなくとも、電話や手紙またSNS、更にはオンラインで顔を見ながら言葉をかけることも出来ます。様々なツールを駆使して大事な想いは伝えて貰いと思っております。お香典は人が集まらない時にお渡しするか郵送しても家族の手に届きます。小規模なお葬式がいけないということでは無く、この状況下でもどの様に想いを届ける場にできるかを求められています。