終活の豆知識㉖(新しい生活様式から考える葬儀の形)

新しい生活様式から考える葬儀の形

 

新型コロナウイルス感染症拡大危機から、徐々に落ち着きを取り戻してきましたが、未だに以前の姿に戻らない業態も多々あります。お葬式もその一つです。新しい生活様式の中にお葬式も含まれており、変化が求められています。先月号で今後の葬儀予測をお伝えしましたが、今月号では新しい生活様式における家族葬のあり方を深堀します。

 

【家族葬とは】

家族葬とは、遺族・親戚・親しい知人で行うお葬式のことで、家族葬にお呼びする方の範囲や人数に決まりはありません。5名の家族葬もあれば50名の家族葬もあります。よく家族葬を密葬と同じ様に理解されている方もおりますが、密葬は親族のみと限定するお葬式。家族葬とは、単なる小規模なお葬式ではなく、あらかじめ参列者の人数を自由に決めることができるお葬式です。最近では、ジャニーズ事務所の創業者が、生前にファミリーのように親しく付き合っていたメンバーと共に100名以上で家族葬を執り行っていました。

 

【家族葬をお勧めする方】

家族葬を実際に行った方の声です。(自社調べ)

弔問客への対応などを気にせず、最後の時間をゆっくり静かに過ごせた

故人様と親しかった参列者に、しっかりおもてなしができた

親族や参列者に高齢者が多かったが、負担を減らせた

安く済ませたい訳ではないが、大げさなお葬式や無駄な費用はかけたくなかったので、費用に納得感があった。

 

【新しい生活様式における開式前弔問】

新しい生活様式では、「3密回避」「大勢での会食回避」などが挙げられています。一か所に数百人が集まるお葬式ではリスクが高まるために、一堂に会さないお葬式に変える必要があります。そこで、市内多くの葬儀場でも「通夜葬儀は家族葬で執り行い、開式前に弔問してください」というスタイルが主流となっております。開式前弔問というのは、自宅または通夜葬儀の開式1時間前に葬儀場に弔問に伺うことです。

 

【開式前弔問で家族葬デメリットを補完】

家族葬の場合、会葬を考えている方から「弔問していいかわからない」「お香典をどこに届けたらいいかわからない」など質問されます。開式前弔問の案内をすることで、リスクを抑えながら家族葬でも弔問を受けることが可能となります。「家族葬だと貰うお香典が少ない分だけ家族負担が増える」ということも少なるでしょう。

 

【家族葬のお布施】

お寺様にお渡しするお布施に関しては、参列規模で変動しません。参列人数が少ないからと言ってお布施額が下がることはほぼありません。戒名や読経は故人様に対するものであり、お葬式の内容と別ですので、家族葬で執り行う際もお布施をご用意ください。

 

【貸切型ホールの利点】

全国的にも貸切型が増えており、富士市内でも増えてきました。従来の複数型ホール(同じ建物に複数の会場を有する)では、同日に複数のお葬式が行われることで、他会場を含め不特定多数の出入りがあり、それを気にする方もおります。貸切型ホールでは1日1組が基本となり、基本は自分たちのお葬式に関わる方だけであり周りを気にしません。これまで、「身内だけで過ごしたい」「自由に温かい雰囲気で過ごしたい」というプライベート感を求めて選ぶ方が多かった中で、このコロナ禍で会場でのリスクも減らせると、今後更なる需要が加わりるでしょう。

 

【事前の比較検討が重要】

新しい形のお葬式となる中で、どの様な形があなたにとってベストなのかを知っておく事が大切です。亡くなってから比較検討することも難しいので、事前に資料取り寄せや相談をしておくと良いでしょう。家族葬また小規模葬儀が初めての方もいると思います。費用感や内容は葬儀社によってまちまちなので、比較検討をすることお勧めします。