終活の豆知識⑨(富士市の家族葬事情)
富士市の家族葬事情 =9=
家族葬と言う言葉はほとんど方がご存知だと思いますが、実際に家族葬ってどんなお葬式なの?と質問されることは多いです。昔は一般葬が主流だった富士市でも、今では家族葬が主と言われております。家族葬は、一般葬に比べて参列する経験は少ないことから、家族葬のイメージが沸かない方も多いと思います。今回は富士市の家族葬のあれこれを、かぐやの里メモリーホール富士の中村さんに聞いた。
Q1、家族葬の定義って?
家族葬の厳密な定義はありません。一般的な解釈としては「故人様を直接知っている方で送る葬儀」として広まっています。実際には3名の家族葬もあれば、50名の家族葬もあります。昔は大勢参列があることがステータスと感じておりましたが、近年では故人を直接知らない方の義理参列に価値を感じない方も増えたことが、家族葬が広まる一つの要因となっております。
Q2、密葬との違いは?
密葬は親族以外に参列案内をしない葬儀です。密葬にする場合は、葬儀日時や会場などは一切口外しないように注意してください。家族葬は親族以外でも、故人を良く知る人などご案内することがあります。
Q3、家族葬はどこまで呼べるの?
先にもあるように、家族葬では親しかった方などに案内をすることがあります。家族が共にお別れをして貰いたい方などは、個別に参列案内をすると良いでしょう。その際の注意点として、家族葬なのでその方以外には参列案内していないこともお伝えしましょう。
Q4、一般葬と家族葬で何が違ってくるの?
大きくは「葬儀費用」「時間のゆとり」「お別れの時間」です。
葬儀費用は、人数が増えればそれに比例してトータルの金額は上がります。(詳細は図を参照)一般葬の方がお香典を貰えるから自己負担が少ないと言われますが、祭壇費や商品なども増えることからあまり変わらないことが多いです。
時間のゆとりとは、参列者が増えると準備(食事・返礼品数など)や体裁(挨拶・葬列決め・生花順番決めなど)など決めることが増えて、バタバタして終わってしまうと良く言われます。一般の方が来る以上は準備しなきゃと、故人のことを考える時間があまり取れなくなることが多いです。
お別れの時間とは、故人と向き合う時間のことです。式中も参列者が増えると挨拶や応対に追われることから、どうしても故人と向き合う時間が減ってきます。
それらを考えるとやはり一般葬の方が慌ただしくなる傾向にあります。ご逝去してから葬儀までなるべく故人と向き合っていたい、最後の時間を作りたいのであれば、家族葬の方が余裕が生まれます。
Q5、立場上で家族葬が難しい場合は?
家族葬を希望するけど、立場上で一般の方にも知らせなくてはいけない方もいらっしゃいます。その様な方は後日お別れ会など機会を設けることをお勧めします。富士市でもホテルなどで偲ぶ会やお別れ会を執り行うことが出来ます。昔は上場企業役員や芸能人だけが行っていましたが、今では全国的に増えつつあります。やはり、社会的立場だけでなく、家族としての一面を大切にして送ってあげたいという傾向の現れかと思います。
Q6、家族葬で行う際の注意点は?
一般の方のお知らせの仕方が重要です。逝去情報は自宅安置の際や会社を忌引きする際など知られることはあります。家族葬で行い一般の方の参列を辞退する旨を、失礼の無いようにお知らせすることです。日時や会場などの情報を広めないことで参列も少なくなります。
一般葬では、親族の関係者や仕事関係者など、故人様を直接知らない方も大勢参列します。それにより「故人様とのお別れ<葬儀の体裁」になりがちです。一度しかないお別れの時だからこそ、何を重視するかで選ぶのは家族の役目です。私もエンディングプランナーとして、上場企業役員や芸能人のお葬儀の担当をしましたが、最後は家族として送ってあげたいと思う方が増えているように思います。
時代と共に様々なことが変わりますが、対外的な体裁より家族としての絆を重視して家族葬を選択する方が増えていることは、家族の温かさが増している証拠かもしれません。