急激に変化したお墓事情① 終活の豆知識70

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墓石を建てた一般墓の時代から樹木葬や納骨堂の時代へ、全国各地で急激な変化が起こっている。この富士市も例外ではありません。少子高齢化社会でお墓のあり方がどのように変わっているのか、2カ月間に亘ってかぐやの里メモリーホールの中村さんに聞いた。

変わりゆくお墓の需要

数年前まで墓地区画に墓石を建てる一般墓が主流でした。納骨先が決まっていない場合はどこかの寺院や霊園に区画を求めて墓石を建立していました。しかしながら、ここ数年でその流れが大きく変化している。(図1)これは都市部だけ変化では無く、地方でも大きな変化を物語っている。つい6年前の2018年まではお墓と言えば一般墓でした。そこからコロナ禍を経て、樹木葬や納骨堂が台頭してきて、今では新しい納骨先を探す際には、一般墓は少数派になってしまいました。(図2)今では、一般墓よりも樹木葬や納骨堂が指示されているのである。

変化した理由

求められるお墓が一般葬から樹木葬や納骨堂に変化した理由について、次の通りに挙げられます。

  • 管理のしやすいものを選ぶ

一般墓は管理に手間と費用がかかります。清掃やお水や草木の交換など日常管理もあり、長期間は放っておくわけにはいきません。また菩提寺境内地の墓地であれば、一斉清掃など檀家付き合いもあります。少子高齢化でなかなかお参りに行けないケースや家族が遠方に暮らすケースが増えてくる中で、お墓の管理が難しくなってくることがあります。そのような理由から、管理が不要のお墓である樹木葬・納骨堂・永代供養墓を選ぶ方が増えてきました。

  • 後継者が要らない

一般墓については後継者がほぼ必須です。先に述べたように管理が必要なお墓を所有している場合は、墓守と呼ばれる後継者が必要です。しかしながら、お子さんや親族がいないことや、後継者候補がいても遠方に住んでいるなどで管理ができないことなど、少子高齢化で課題が生まれています。そこで後継者がいなくても管理ができるお墓を選ぶ方が増えているのです。またお子さんが近くにいても子供たちに手間をかけたくないという方も増えています。(図3)管理のしやすさや後継者不要などの理由から、前提として樹木葬や納骨堂が求められいます。

  • 費用負担の軽減

一般墓を建立するには、土地代(区画代)と墓石代がかかってきます。市営霊園でも土地代だけで50万円はかかりますし、墓石代は区画に合わせて形状を変えるなどすれば平均100万円は超えてきます。土地代と墓石代そして維持管理費もかかってくるので、一般墓は費用負担がそれなりです。(図4)今では購入費のみで維持管理費も要らないお墓も増えていたり、樹木葬や納骨堂などトータル50万円前後で購入できるお墓もあるので、費用面からそちらを選ぶ方が増えています。

今月はお墓の需要の変化を紹介しました。来月にはお墓の種類・富士市にあるお墓紹介・墓じまいについてご紹介します。(次回は11月10日を予定)

出典:「第14回第15回 墓の消費者全国実態調査調査」(株式会社鎌倉新書「いいお墓」)